ひとり
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今となってもはや新刊の出ることなんてない、リスニングガイドというジャンル。
いったい誰が読むんだろう——そう思っていた。小柳帝さんが店に来てくれるまでは。
新刊情報でちょっと見かけていて気になっていたけど、入荷するのはまだ躊躇ってた。GAZETTEというユニットには小柳帝さんという方がいて、福岡県のご出身。以前は某書店でトークイベントを開いていたことも。するとABCの常連さんが小柳さんとお知り合いで、小柳さんの近刊の挨拶回りにウチを紹介してくださったのだ。
実際に手に取ると、波打った表紙に、「ひとり ALTOGETHER ALONE」という文字。意外と軽くて、レコードプレイヤーの隣でLPに混じって横たわっているのが想起された。今どきはスタンダードだが、レコードたちはジャンルではなく「気分」でジャンル分けされ、そしてもはや手に入るものの方が少ないのではないかという、本当に珍しいものばかり。正直ほとんどわからない。
ディスクガイドというのは、有識者が大衆に向けて”案内”をするというものである。
しかしここまで個人的なムードについて書かれているのを読むと、もはや教示の形をとった独白劇である。レコードのキャプションを書いてる人がどんな人なのか、普段は気になることなんてないでしょ?
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クラブで踊るためでもなければ、ライヴハウスで騒ぐためでもない、ひとりの雰囲気を持つ音楽。かといってひとりよがりの、半径数メートル閉塞感もりもりのマニアックな選盤というわけではない。音盤収集学とレコード詩学を絶妙にブレンドしてカフェ・ミュージックを擬態し、よく知られた盤もあまり知られていない盤も何食わぬ様子で並み居る約500枚。みんなにとっては重要かもしれない再生回数だの影響力(インプレッション)だのといったあらゆる序列は、たった「ひとり」の前で完全に無効化する。
(本書解説文より)
ひとりで聴きたいレコード、ひとりで奏でられた音楽、聴けばひとりを感じる調べ。
1999年の終わり、過ぎ去りつつあった大衆(みんな)で音楽を聴く時代を惜しみつつ、ひとりの時間をいかに大切に過ごすかを考え始めた人たちによるディスクガイド。「何を」ではなく「どのように」聴くのかを問い、21世紀の始まりを予見した一冊がついに新装復刊。
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