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誰のためのアクセシビリティ? 障害のある人の経験と文化から考える

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スロープや字幕を付ければ終わりではない。
アクセシビリティの先には、生々しい身体を持った人間がいる。

映画を観る、ゲームをする、アートを鑑賞する。
そのために、チケットを買う、座席を選ぶ、会場に行く。
多くの人が日常的にしていることを、マジョリティとは異なる身体を持つというだけで同じように楽しめない人たちがいる。

コンテンツを作るとき、情報を発信するとき、イベントを催すとき。
わたしたちは、自分と異なる身体と感覚を持つ人のニーズをどのくらい想像しているだろう?
そもそも人が「体験する」とは、どういうことだろう?
アクセシビリティについて考えることは、“当たり前”を問い直すこと。

『ルール?展』や『音で観るダンス』など、常識をくつがえすプロジェクトを生み出し、アクセシビリティを研究してきた著者が、障害のある人と対話・実験しながら書き上げた初のエッセイ!
障害のある人13人との対話・鑑賞ワークショップ・座談会の様子も記録。

「バリアフリー」や「インクルーシブ」からこぼれ落ちる声を聞き、AIなどのテクノロジーにも領域を広げて考える。
今の時代、どんな仕事、どんな表現をしている人も無関係ではいられない。
アクセシビリティの必要性と可能性、それを考えることの面白さも伝える著者ならではの人文エッセイ。

2024年度から改正障害者差別解消法の施行により、民間事業者も義務化となった「合理的配慮」。
何から始めよう?と考えている人も、はじめの一歩になる必読の本!

“アクセシビリティは、社会のあらゆる場所が連携しながら、
つくる人と使う人が一緒に更新していく、終わりのないプロセスなのだ。”
(本文より)

田中 みゆき (タナカ ミユキ) (著/文)
キュレーター、プロデューサー。「障害は世界を捉え直す視点」をテーマにカテゴリーにとらわれないプロジェクトを企画。表現の見方や捉え方を障害のある人たち含む鑑賞者とともに再考する。近年の仕事に、映画『ナイトクルージング』(2019年)、21_21 DESIGN SIGHT企画展「ルール?展」(2021年)共同ディレクション、展覧会「語りの複数性」(東京都渋谷公園通りギャラリー、2021年)、『音で観るダンスのワークインプログレス』(KAAT神奈川芸術劇場ほか、2017年~)、『オーディオゲームセンター』(2017年~)など。2022年ニューヨーク大学障害学センター客員研究員。美術評論家連盟会員。共著に『ルール?本 創造的に生きるためのデザイン』(フィルムアート社)がある。

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